知っていそうで案外知らないお寺のこと、お寺とのつきあい方。

長野市内の寺院のご住職に教えていただきました。

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お寺のご住職がわかりやすく解説!

お寺とは?  宗派とは?  檀家とは?

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お寺とは

お寺は何のためにあるの?

もしあなたの家族が亡くなったら、あなたは法に従って火葬し、儀式として葬儀を執りおこない、届け出をしておしまいですか? それでは心が落ち着かないのではないでしょうか。

 

修行を積んだ住職によって故人を佛の国へと導くのが、仏教における葬儀です。また、無事に佛国に着いた御霊を想い、その人がこの世でやり残した善を追って、残された私たちも一所懸命生きていると報告するのが回忌の法事です。

 

お寺とは、そうした葬儀、法事をおこない供養する場として存在しています。葬儀、法事の供養のほかにも、日々平和で穏やかであることを祈り、人生の悩みを相談できる場所でもあります。

お寺と檀家の関係とは?

お寺は宗教法人法という法律によって設立されており、住職個人のものではありません。境内の土地も建物も、すべてが檀家=壇信徒のものであり、住職はそれを管理しているに過ぎません。お寺そのもの運営も壇信徒の組織によっておこなわれます。

 

住職は壇信徒が供養の際に納めるお布施やお賽銭から給料をいただき、税金を納めます。また壇信徒の会費等が建物、庭園、墓地などの管理や宗派宗門に納める費用にあてられます。

 

お寺の檀家になるということは、お寺との縁を結び、そのお寺を護っていくこと。同時に、古代より仏教の影響を受け続けてきた日本の文化を守り、平和な社会をつくっていくことにほかなりません。あなた自身の心の平安を得ることでもあるのです。

真言宗古刹(長野市内)のご住職の言葉より
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仏教のこと・宗派のこと

人生の羅針盤として

人間は一人では生きられません。多くの人を助け、助けられて生かされ、ご縁のなかで一生を終えるのです。その羅針盤となるのが宗教です。ことに日本人は仏教により、「無価(むげ)真実(=なにものにも代えがたい真実)」の仏心を代々受け継いできました。それが今日、外国の方々からの「日本人は優しい、親切だ」という評価に通じているのでしょう。

 

現在日本には、仏教の13宗56派をはじめとし600以上の宗教宗派が存在するといわれています。同じ仏教でも宗派によって教えや供養の作法が異なりますが、お釈迦様を信仰し、ご縁を大切にして心の豊かさを求める想いは宗派を越えるものです。

 

便利さを求め、煩わしさを嫌い、何ごとも損得のものさしを基本にしがちな現代です。しかし、めんどうだから、時代に合わないからと、さまざまなことを略してしまうのではなく、「古教照心(=仏祖の言葉を読み、自らの心を反省して方向を定め直す)」という仏教の教えのように、何が大切かを確かめながら生きていくことが大切でしょう。それが命のバトンタッチ、文化のバトンタッチだと思うのです。

仏教寺院の役割

亡くなられた人が無事に仏の世界に安住できるよう、寺は戒名をつけ、葬儀をおこない、引導を授けます。この戒名を「過去帳」に永久に残してお守りするのも寺の役割です。

 

また法事は、日々の忙しさのなかでひととき今の自分を省みて、ご先祖様や故人に報恩感謝し、兄弟や親戚との縁を深くする節目です。

 

寺はすべてが檀家のもの。葬儀や法事の際に納めるお布施は、住職個人ではなく寺に納め、そこから寺の維持管理費用や住職の給料がまかなわれます。自分の心情に合う教義の宗派を見つけて檀家となり、こうしたひとときを大切にすることが心の豊かさにつながっていくと考えます

曹洞宗古刹(長野市内)のご住職の言葉より
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檀家になるということ

「檀家になる」とは?

今までお寺にご縁のなかった方がご家族を亡くされたとき、ご兄弟やご親戚がおつきあいされているお寺を頼ったり、葬儀社にお寺を紹介してもらったりしてご葬儀をされる場合がほとんどでしょう。その際、檀家になるかどうかを悩まれる方が多いようです。また、墓地をお探しになるときも、檀家になるかどうかを判断材料にする傾向があるようです。

 

「檀家」とは一般的に、「日常的にお寺とのおつきあいがあり、そのお寺を支える家または個人」のこと。住職と一緒になってお寺を護り支える立場にあり、「檀家名簿」に記載されて、年間に決まった額の会費(護寺費など)を納めておられます。

お寺からお知らせが届いたり、お寺で営まれる法要に参拝されることもあるでしょう。お盆やお彼岸には住職が檀家のお宅を訪ね、ご家族一緒にお仏壇でお参りします。

心のよりどころをおもちですか?

お寺は、長い歴史のなかで、仏法を学び、ご先祖や亡き人をしのぶ人々の「心のよりどころ」として存在してきました。その本来の役割を果たせるよう、お寺の代表として本堂や境内地、墓地などを管理し、檀家の皆さんとともに護持していくのが住職の役割。お寺は住職のものではなく、支えてくださる檀家さんと共有しているのです。

 

檀家になると年会費(護寺費)など経済的な負担があることは間違いありません。けれど、日常的にお寺とおつきあいをし、心のよりどころをもつ意義は少なからずあります。

 

檀家になるかどうか悩まれた際は、金銭面のみを基準にするのではなく、葬儀などの仏縁を通して仏法を聞き、住職と接するなかで、ご自身にとっての意義をじっくり考え、お決めいただくのがよいでしょう。

ちなみに浄土真宗では檀家のことを同じ宗門の仲間という意味で「門徒」といいます。

浄土真宗古刹(長野市内)のご住職の言葉より

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